次元やありとあらゆる法則を無視した何か。ただの妄想。 普段は二人か三人しか居ない亜里奈達の家。 その家で、なぜか今日はお泊まり会が行われることに― 「レイキー、そーれっ、枕受け止めてーっ」 「いきなり言われても…もがっ」 恵理の投げた枕がぼふ、とレイキの顔に当たり落ちる。 その隣で絵美子がくすくす笑っていた。 布団の中では、既に約一名、由依が寝かけている。 亜里奈は遼子と着替えながら、たわいもない話を。 皆が普通のパジャマの中、自分だけネグリジェに着替える遼子を見て 「お姉さん…胸、おっきいね…」と亜里奈が呟く。 …遼子にしか聞こえないはずのそれは、どういう訳か恵理の耳にも入ってしまったようだ。 「むむっ」 恵理が耳をぴくりとさせる。 「遼子ー、それかわいーねっ。ネグリジェ、ってやつだっけ?」 珍しいものを見たようにはしゃぎだす絵美子。 続いてそこへ近づいた恵理も、遼子の姿に目をやり…―― むにょ。 「んひゃ…っ!?」 正面からいきなり遼子の胸を鷲掴んだ。 「え、恵理…っ、何を…!」 思わず叫んだレイキを尻目に、恵理はそのまま軽く遼子の胸をふにふにと弄ぶ。 「んー…これは……ふんふん」 「ひゃ…んんっ、やぁ…めて、くださ、恵理、さっ…!」 「遼子ってね…胸弱いんだよ…」 「ゆ、由依…っ、よけーなこ…んんっ」 遼子の、あまりの感度の良さに恵理をはじめとした女性陣が絶句する。 …どちらかといえば亜里奈とレイキはぽかんと見ていただけだったが。 「遼子がこんなにココ弱いなんて、一番つきあい長いあたしでも知らなかったなー」 新しいおもちゃを見つけたかのような表情で絵美子が言う。 「よーしみんなー、今夜は遼子ちゃんいじりだー!」 「「「おー!」」」 「ええっ、ちょ、ちょっとちょっと!ていうか誰かとめてよー、えーんっ」 ………女の子達の盛り上がりはとどまる事を知らない。 一方。男性陣は、というと、 「…何やってんだよあいつら…」 「亜里奈…きっとわけもわからず参加してんだな…」 「俺は由依と一緒に寝たかったんだけどな…」 「頼むからひとンちでヤったりしないでくださいよ」 「ば、ばっか、そんなの自分ちだけで充分だって」 「…それにしても、なんつーか、……ああいうの聞いてるとムラムラしてくるっす」 「若いな…」 「る、ルディスさんだってまだ若いんでしょーが」 「……一応今回集まったメンツでは年長者なんだぜ?」 「「うっそ!?」」 未だ眠れずにいた。 おわり。