――いつかした約束を覚えてる? その一言で始まった、遼子の話から一週間。 今、俺達は夜空を見ていた― ある山の中のコテージで。 微かな灯りしか見えない暗い空、その中に。 「…あっ、見て見てみてっ! 流れ星!」 「おおっ!? …ぬかった、そっち見てねえ…!」 ただ二人だけの声が辺りに響いていた。 数年に一度の流星群を、リアルタイムで肉眼で捉えたくて。 ――いつか流れ星見に行こうよっ   ――あたし、天体観測ってやったことないんだ それは数年前、散歩中に遼子が…何気なく口にした話。 あの時は、まさか遼子とこんな風に付き合うようになるなんて思っていなかった。 そして― 「わあっ…! 今の見たっ!? 三つ連続だよ!」 こんなにはしゃぐ遼子を見たのは初めてだった。 初めて会った頃はもっと大人しくて、空と散歩が好きな可愛い女の子だな、って… 「すまーん、見てなかった」 「んもーっ… スッゴイ綺麗だったのにー」 拗ねながら笑う彼女はやはり今も可愛かった。 数年前のあたしに、伝えたいことがあるんだ―  素敵な未来が待ってるんだよ、って! …大好きなキミと共に居られる。そんな、幸せな「  」を