次元やありとあらゆる法則を無視した何か、再び。 相変わらずただの妄想。パラレル。 ……かぽーん。わいわい。がやがや。 「全く……、野郎は追い出して、自分たちは自宅風呂でキャッキャウフフ、ってか」 銭湯で湯船に浸かりながら、ルディスは独りごちる。 今夜は友人(ユーザー)を通して知り合った「彼ら」とのお泊まり会だった。 だが、その家に着いた途端、荷物は預かっておくからと早々に追い出されたのである。 …男共だけ。 「あっはは、…あれは突然過ぎてさすがに参りました」 頭上から降ってきた声に思わず視線だけでなく頭ごと見上げると、 そこには一緒に追い出された、家の住人、陽光春貴がそこに居た。 男同士、別に遠慮しなくてもいいのに「隣、失礼しまっす」等と断りを入れた後に彼はルディスの隣に浸かる。 「その代わり夕飯作ってくれるって言ってたし、まぁここは1つ任せてみてもいいかなって。 亜里奈一人な訳でもないしな〜」 「よく言うぜ、妹が心配なクセに」 「当たり前っすよ、普通あんな小さいのに包丁持たせたり火使わせたくないでしょ」 おおこわい、と春貴が大げさに身体を揺する。 「――ま、うちの連れとかも居るし、大丈夫だーってハルさん」 ざぶん、と水音。振り返ると、郷也が大きく胡座をかくように浸かった所だった。 「今日はあいつ以外にも一緒にやってくれる人大勢いるし、大丈夫だと思ってますって。 …で、なんすかその『ハルさん』って」 「なにってそりゃ、あだ名っしょ」 「何でさん付けなんですか…郷也さんのほうが、俺より年上でしょー?」 あまりにも気さくな話し方に戸惑い気味の春貴。 だが、彼は半ばニヤニヤとした表情で、湯船の方を指さし、 「いやァ……さっき身体流した時にも見えちまったんだけどさァ… 見かけによらず、イイモノ持ってんじゃん?ってさ」 そう言って郷也はくっくっと笑う。 その指すモノがしばらく分からず停止していた春貴だが、やがて、彼が言わんとしていたことに気づき。 「……―――っっ!!? ちょっ、ドコ見てんすかぁ!!」 既に隠れているのに、思わず反射的に股間を隠すようなアクションを取ってしまった事を 春貴は言った後に後悔した。 わはは、とルディスと郷也が大笑いする。 「あー、これは確かにハルさん弄られキャラだなぁ…」 「もうやめてください…(涙)」